地域貢献研究センター・アクションプログラム

Ⅰ 基本的考え方

 公立大学である本学は,質の高い医療専門職の育成とともに,開学以来集積してきた保健・医療・福祉に関する多様な知識と技術を地域へ還元し,本県の保健医療,福祉の発展にも積極的に関わってきた。
 知識基盤社会の時代と言われ,地域貢献・社会貢献が大学の第三の使命として強調されるなど,大学における地域貢献・社会貢献の意義がより高まっている。
 本学はこれまでの地域貢献の取組を礎に,茨城の「知」の拠点(研究教育・情報拠点)として,優れた地域貢献が教育・研究の高度化に繋がるとの認識のもと,若い人材の参画も図りつつ,全学的な取組として,地域の保健医療の質の向上に寄与する地域貢献を進めるものとする。
 とりわけ,保健医療に係る多彩な人的資源及び付属病院をもつ本学の特色を活かして,地域社会(住民,行政,医療機関,関係教育・学術団体など)との日常的,組織的な連携(ネットワーク)を図りつつ,地域住民のQOL向上に直接繋がる地域貢献を推進する。

  1. 学術的研究,基礎研究等により得られた成果を積極的に地域へ還元し,保健医療福祉の発展に貢献する。また,地域課題の把握に努めるとともに,その課題解決に寄与する研究活動を推進する。
  2. 県,県内市町村の政策立案等について積極的に連携・協力し,地域の発展に貢献する。また,本学が所在する阿見町において大学連携等を推進し,連携による新たな地域貢献に努める。
  3. 医療機関や関係機関との連携を通じて,高度医療専門職の養成や専門職の資質向上に向けた取組を進め,地域に貢献する人材を育成する。
  4. 地域貢献研究センターの機能充実を図り,大学としての組織的な取組を推進する。


Ⅱ 重点事業

 平成22年度から3年間の重点事業を次のとおり推進する。

【重点戦略1】
県民ニーズに応える「茨城」の知の拠点としての地域貢献推進体制の強化
 地域貢献研究センターは,本学の教育・研究基盤が整ってきたことから,地域貢献をより積極的・組織的に取り組むため設置された。相談・連携窓口機能等を強化し,本学が持つ多彩な人的資源及び付属病院を有する特色を発揮し,県民のニーズや課題に,より積極的に対応するとともに,広報活動を充実し本学の存在のアピールと開かれた大学づくりを推進する。
 また,教員の活動を業績として評価する仕組みを構築し,教員が当該活動へ積極的に参画する気運を醸成する。
〔重点事業1〕相談・連携窓口機能「地域連携人財ネット※」の開設
 本学の地域貢献を組織的に進めるとともに,本学の知の集積を地域が利用しやすくするため,地域貢献研究センター内に「地域連携人財ネット」を開設し,地域からの相談・依頼に対応する窓口とする。
〔重点事業2〕本学のアピールと開かれた大学づくりに資する広報活動の充実
 ホームページによる最新情報の発信,「地域貢献研究センターだより」の定期発行及び「地域連携人財ネット」による地域との交流や市町村との連携を生かした積極的な広報活動を展開する。

【重点戦略2】
県内保健医療福祉体制の充実に資する卒後教育等の推進
 本学は,県立の医療系大学として本県の保健医療福祉向上を支える役割を負っていることから,県内の医療専門職の資質向上を図る取組を推進する。
〔重点事業3〕看護管理者研修など医療専門職研修の検討,実施
 医療機関からのニーズが強い看護管理者研修など,県内医療専門職の資質向上に寄与する研修会等を検討,実施する。
〔重点事業4〕本学卒業生ネットワークの強化
 来年開学15周年を迎える本学の卒業生は約2,000名を数え,県内各地域の各種機関において活動を行っている。同窓会の発展など本学と卒業生,卒業生同士のネットワーク強化を図り,地域の課題把握及びその解決のため研究等の取組を支援する。

【重点戦略3】
本学の教育・研究水準の更なる高度化に資する教育・研究機関等との連携推進
 教育・研究機関との連携を進め,各機関が有する教育研究資源を有効活用することにより,地域の知の拠点として,教育研究水準のさらなる高度化,個性・特色の明確化,加えて地域と一体となった人材育成の推進を図る。
〔重点事業5〕近隣の教育・研究機関との連携推進
 連携協定に基づく東京医科大学茨城医療センターとの各種交流を推進するとともに,茨城大学農学部との連携方策及び連携協定の締結に向けた検討を進める。


Ⅲ 体系別事業計画

(1)「地域連携人財ネット」の開設
 地域貢献をより積極的・組織的に取り組むため設置された地域貢献研究センターに相談・連携窓口機能「地域連携人財ネット」を設け,地域連携に関する相談・依頼等に応じるとともに,県立大学としての地域社会とのネットワーク構築を図る。
〈事業展開の方向〉

  • 相談・連携窓口機能「地域連携人財ネット」の開設(再掲)
  • 本学卒業生との情報交換・連携方策の検討,実施
  • 学内若手教員に対する相談支援機能の検討

(2)「知」の拠点としての大学の地域貢献
ア 県・市町村の委員会等(地域の保健医療政策立案等)への参画
 本学の教員及び付属病院教職員は,県及び市町村の様々な計画策定等に係る委員会委員として地域の保健医療政策立案に参画しており,これら活動を大学の地域貢献活動の一環として整理し発信する。
 また,地域貢献研究センターの相談・連携窓口機能を発揮し,市町村の相談・依頼に応じるとともに,県保健福祉部門との連携を図り,県等の新たな政策立案に参画する。
〈事業展開の方向〉

  • 県保健福祉部門(本庁)との連携強化による県等の新たな政策立案への参画の推進

イ 「知」の資源の開放
① 公開講座
 教員の保健医療に関する知見を一般に広め、県民の健康・福祉に関する教養を高めるため、本学がもつ多彩な人的資源や教育施設・設備を活かし、時代や地域のニーズを捉え広く県民を対象とする公開講座を計画的に開催する。
〈事業展開の方向〉

  • 住民ニーズを踏まえた講義内容の充実及び学外開催拡大の検討
  • 県生涯学習センター,市町村,職能団体等との連携等による効果的,効率的な開催

② 医療専門職研修会,卒後教育等
 関係機関,職能団体等との連携及び本学卒業生ネットワークの強化を図りつつ,医療専門職向けの研修会等を定期的に開催し,県内医療専門職の資質向上を図る。
〈事業展開の方向〉

  • 関係機関,職能団体等と連携した専門職研修会の開催等
  • 本学卒業生との情報交換・連携方策の検討,実施(再掲)

③ 認定看護師教育課程
 平成19年10月に開設した本課程について,県内医療機関等への広報等に努め,良質な受講環境の下,県内受講者の拡大を図る。
〈事業展開の方向〉

  • 県内受講生の拡大に向けた積極的広報の実施等

④ 地域の教育・研究機関等との連携強化
 地元3大学や阿見町との協力関係等をさらに発展させるなどし,新たな地域連携のあり方の創造を目指した活動に積極的に参画する。
〈事業展開の方向〉

  • 阿見町内3大学,阿見町との連携事業の実施及び近隣大学との新たな連携協定締結の検討

⑤ 附属図書館の地域への開放
 開館時間延長など本学卒業生や保健医療専門職利用者の利便性の向上に努めるなど,地域ニーズに応じた附属図書館の開放を推進する。
〈事業展開の方向〉

  • 平日の開館時間延長の検討

⑥ 高大連携の推進
 医療大学入門講座や高等学校への出張模擬授業の実施など,次代の社会を担う若者を育てるという共通目標をもった教育機関として高校・大学間の連携推進に努める。
〈事業展開の方向〉

  • 連携事業の推進及び高大接続に向けた検討

⑦ 地域貢献に関する情報発信
 地域貢献の取組,実績等を本学ホームページ等により学内外へ積極的に発信し,本学の存在の一層のアピールを図るとともに,地域ニーズの把握等にも努める。
〈事業展開の方向〉

  • ホームページによる最新情報の発信
  • 「地域貢献研究センターだより」の定期的発行

(3)地域貢献に資する研究の推進及び研究成果の学外への還元
① 研究の推進
 地域貢献研究における学科の枠を超えた共同研究など,より広い視野からの学内横断的な研究を積極的に推進するとともに,地域との密接な連携により地域課題に対応した研究を行う。
 また,学内他機関との連携の下,地域貢献研究センターが地域社会と大学をつなぐ窓口として機能しうる体制や仕組みを検討する。
〈事業展開の方向〉

  • 研究推進における地域貢献研究センターの相談・連携窓口機能活用の検討

② 研究成果の学外への還元
 地域貢献研究センターに本学研究成果を体系立てて蓄積し,公表する取組を推進する。
〈事業展開の方向〉

  • 本学ホームページによる情報発信の推進及び紹介誌等の検討

(4)付属病院の地域リハビリテーション支援センターとしての活動の支援
 平成12年から茨城県地域リハビリテーション支援センターとして,県の地域リハビリテーション支援体制における中核的な役割を担っている付属病院の支援センター機能の支援を継続する。
〈事業展開の方向〉

  • リハビリテーション専門病院として機能充実への協力体制強化及び地域リハビリテーション支援センターとしての機能発揮への支援


「地域連携人財ネット」:本学が有する知の集積を県民の財産として捉え,「地域連携人財ネット」の名称で,地域からの相談・依頼に対応する総合窓口を設け,本県の保健医療福祉の更なる充実,人々のQOLの向上に寄与していくものです。